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Sunday, December 06, 2009

point of no return

前のブログで、石けんを作るときに最近あまり混ぜない方法を試していると書きました。それはあるポイントからは混ぜない方が鹸化が進むような気がしたからです。例えば、あとちょっとでトレースが出そうな気配があるのに、混ぜても混ぜてもトレースが出ないときってありませんか?そういうときに、混ぜるのをやめて5分ほど放っておいたりすると、トレースが出ていた、なんてことはありませんか?
もちろん、オイルと苛性ソーダ水を混ぜ始めたときは、しっかりと撹拌をしておかないと鹸化は進みにくいのですが、ある地点から混ぜるよりも放っておいた方が鹸化が進みやすくなる様な気がするのです。

今までは、トレースが出たら、もう撹拌をしなくても大丈夫、と思っていたのですが、実際にはもっと前の段階から、混ぜるのを止めてしまってもいいんじゃないか、撹拌しない方が逆に早く鹸化が進むというポイントがあるのではないか、と思ったわけです。(レシピや温度、作り方などにより幅はあると思いますが。)
そのようなわけで、あまり混ぜない作り方を試していたのですが、撹拌より放っておく方が鹸化が進むポイントとは何なのかよくわからずにいました。それが、アン・ワトソンのミルク・ソープメーキングを読んでいたら、the point of no returnという言葉が出てきて、まさしく私が探しているのはこれだ!と思ったんです。the point of no return、もう後戻りできない地点。コールドプロセスの石けん生地が、もう先に進むしかない!と腹をくくり、自発的に進み始める地点です。そのポイントに来ると、もう人間の手などわずらわしくて、かえって時間がかかってしまう。もう放っておいて!というポイントなのです。(化学的な根拠のある発言ではありませんよ〜。)

アン・ワトソンはトレースを目安として使わずに、温度の上昇具合を目安に型入れをしています。ミルク・ソープメーキングでは、生地にとろみがついてきた段階で温度計をチェックし、華氏で数度(摂氏で1度)上がったら型入れOKのサインだとしています。ちなみに、とろみがついても温度が上昇していなければ、偽トレースの疑いありだそうです。
温度が上昇するのは、トレースが出るよりもかなり前なので、私の探していた撹拌より連鎖反応の方が早くなるポイントは、もしかしたら、まさにアン・ワトソンの言うthe point of no return、この温度が上昇していくる頃なのかもしれません。

アン・ワトソンは初心者に型入れの時期をわかりやすくするために、温度の上昇について説明しています。これは最初から温度上昇時まで、きっちりと彼女の作り方に従っていき、温度を型入れの目安として使うので、初心者には懇切丁寧な作り方です。
私の場合は、温度はまちまちで作ってしまったり、温度を上げたり、下げたりして生地を調節することも多いので、ワトソンの方法を目安にするのは逆に難しいのですが、the point of no returnというアイディアをうまく使うと、これまで撹拌に費やしていた時間を短くして、放っておく時間へかえられるのではないかと思います。そして放置時間でトレースというか生地の具合を調節できるようになると、これまでコントロールができなかった部分がもっとコントロールできるようになると思うんですよね。生地は混ぜてるときより、混ぜてない時の方がコントロールができないわけですが、これを時間として調節することができれば、型入れの生地やできあがりの石けんの状態も調節できるような気がします。the point of no returnを生地の変化として確認し、撹拌停止の目安にし、そこから好みの状態まで生地を放置して、最後に型入れをするということになります。


ほぼ独り言のようになってますね。つまらなかったらごめんなさい。あくまでも私の経験の中での勝手な話なので参考にならないと思いますが、the point of no returnというコンセプトがとてもおもしろかったのでブログに書いてみました。