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Wednesday, December 09, 2009

「ダイアログ」 手作り石けん販売の話(3)

<3回目>

(た)認可は5年更新なんですね。更新料に加え、製造所を借りた場合、その家賃や更新料もあるでしょうし、人件費もありますね。原材料費以外に、まとまった出費が結構あるのではありませんか?

(ゆ)そうですね。家賃と人件費に比べたら、原材料費なんて、誤差範囲かも、というのは言い過ぎですが(笑)。
1ヶ月に何万円、何十万円もかけて、やっと化粧石けんとしての販売が可能なんです。そうなると、どんな良い石けんを作るかということより、やはり事業としてどうやって成り立たせるかってことがとても大切になると思います。すでに何かベースとなる事業があって、それに石けんを追加する、という形なら、なんとかやっていけるかもしれませんね。

(た)事業をするというのは大変なことですよね。ゆみこさんがさきほどおっしゃっていたキャビッチの本の中にも、どれくらい積極的にマーケティングをするかが成功の鍵というような箇所がありましたね。
私はゆみこさんの石けんが大好きなので、これからもずーっと作り続けて欲しいと思っています。そう言えば、ゆみこさんの石けんはリッツカールトンや柚子屋旅館など有名な場所で取り扱われていましたよね。実際、そういった場所へ営業へ行ったときに、担当者の手作り石けんへの反応はどうでしたか?

(ゆ)ありがとうございます。担当の方には本当に恵まれていたと思います。皆さん、とっても興味を持って下さり、理解して下さいました。手作り石けんを初めて使われる方がほとんどだったのですが、まずその使い心地の良さに驚かれました。すっきり汚れは落ちるのに、肌に優しい。私自身の中でも見かけは普通だけど使用感を気に入っている石けんと、ちょっと受けを狙って手作りらしく凝ったものなど、いくつかサンプルでお持ちしたのですが、なんと、全部使ってみてくださり、良い物(売りたい物)順に並べて下さったのが、私の中で好きな石けんの順番とぴったり一致したんです!それには本当に驚きました。一番気に入ってもらったのはアボカドオイルを使った白い無香の石けんだったんですよ。受け狙いだったのは全部却下されました(笑)。本当に手作り石けんの良さをわかって頂いた上で扱ってもらえることがうれしかったです。

(た)それはすごい!担当の方も本当によいものを求めていて、それがストレートに肌で感じてくださった結果だったのでしょうね!

(ゆ)ただ、最初のスタッフの方が段々入れ替わり、次第に石けんに対して思い入れを持って下さっている方がおられなくなった頃と、私のモチベーションが下がってきた頃から注文も減ってきました。同じ物を作っていても、「気」が抜けると売れなくなってくるんです。当たり前のことかもしれませんが、難しいですね。

(た)そうですね。扱うのは「物」でも、作るのは「人」、それを売るのも「人」ですものね。そして「人」と「人」の間によいつながりがあってこそ、扱う物が生かされてくるような気がします。

手作り石けん販売の話(4)へ続く