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Tuesday, November 13, 2007

猫の目と魚の目とくっついた指

育児話の続きと言えば続きです。

コドモがいることで、普通にできることが普通できない。だから工夫してやってるつもりなのに、慣れないやり方だから失敗に終わる・・なんてことがよくあります。昨日の指くっつき事件もそのひとつ。

私は裏面が猫の顔になっている小さな鏡を持っていて、猫の目のところは赤のビーズが埋め込まれています。数日前のこと、何かを取ろうとした拍子にその鏡を床に落としてしまい、猫の左目のビーズが取れてしまいました。幸い、赤いビーズは紛失することなく見つかったのですが、それを接着剤でつけるのは面倒。まずは接着剤を文房具箱の奥底から取り出さないといけません。しかしそんなことをしてるとコドモが興味を持って、探し物の真似を始めるかもしれません。引き出しを開けて洋服をひっぱり出したり、クロゼットから布団乾燥機やらなにやらを持ち出してきたり。そんな様子が目に浮かびます。

そんなわけで、ひとまず片目になった猫の手鏡と、赤い小さなビーズをそのままバスルームの流しの横の棚においておきました。「万物は無常なり。私のことだから、きっと直すことなく数ヶ月くらい置きっぱなしにしておくでしょう。そしていつの間にか赤いビーズがどっかに行ってしまい、最後は赤いマジックで片目を赤く塗るでしょう。」そう思ってました。しかし、1日たち、2日たち、どうもそわそわ落ち着きません。バスルームに行く度に、片目だけの猫の顔と目があうんです。しかも横にははずれてしまった眼球がゴロリ。ビジュアル的にこんな恐ろしい事がありましょうか。このままでは恐くて、夜トイレに行かれません。

そこで手鏡を引き出しにしまうことにしました。しかし、眼球ビーズはどうしましょう。一緒に引き出しにでも入れたら、顔と目がバラバラにころがっているようで嫌な気持ちです。それならジップ袋に入れて、と思いましたが残念ながらジップ袋がありません。そして赤ビーズ1個のためにジップ袋は買う気持ちもありません。

それなら置き場所を変えてみようと思いました。バスルームじゃなくて、居間の本棚に。しかし上の棚は猫が歩くため、猫が下に落とすのは確実です。余談ですが、うちの猫は猫グッズをねらってこわす習性があるので、猫系の置物などはすべてかじった後がついてます。本棚の下の段はコドモが触るため、やはりNG。赤くてキラキラしたものをコドモが触らないわけがありません。そしてお気に入りと化した赤ビーズは、宝物として大人が絶対見つけられないところに隠してしまうでしょう。先日、だんなのギターの中からしまじろうのカードやらシールやらがたくさん出てきましたから、赤いビーズのゆくえも知れたものではありません。

あそこは猫にやられるから駄目。ここはコドモのやられるから駄目。片目の猫の鏡と赤いビーズを持って、部屋のあちこちをウロウロ歩いていたら急に馬鹿馬鹿しくなりました。「なにやってんだろう?!こんなことに時間を費やすなら、赤いビーズを猫の目にくっつけた方が早くない?!」

そして昨日、猫鏡の左目を埋める行動に出たわけです。まずはコドモがよそを向いているすきを狙って、ねらいをつけていた場所から瞬間接着剤を素早くゲット。しかしコドモは見てました。「なにそれぇー?あそぶぅー!」猫の目をつけるだのと正直に赤いビーズでもキラキラさせたら大変です。適当に他のものを渡して気をそらしました。そしてこっそりバスルームへ行き、接着剤を開け、右手に持った赤いビーズの上にぽたりと1滴垂らしました。そして穴のあいた猫の左目に赤いビーズをゆっくりとはめ込めると、以前の顔に元通り。

お直しは1分もかかりませんでした。なーんだこんな簡単なこと。横着せずにさっさと始めからつけてしまえばよかった。と、ほっとしたその瞬間です。赤ビーズを持っていた親指と人差し指の腹が離れないことに気付きました!へっ?!と手首を回転させてよく見ようとしたら、さらに新たな面がくっついてしまいました。親指と人差し指、相思相愛みたいにぎゅうっとくっついちゃったんです!!えっ、えっ、えっー?!右手です。利き手です。左手には瞬間接着剤をまだ持ってます。蓋が開いた状態です。

まずは右手をどうにかする前に左手を開けないと。でも蓋の開いた状態の接着剤をどこに置こう?立てて置ける場所、猫もコドモも触らない場所は・・。またまた家の中をウロウロしてしまいました。狭いアパート、そんなにまわる場所もないのに。でも必死です。片手は指がくっついてて、もう片手はくっつく物を持ってるんですから。結局、キッチンの流しにあった魚の形のスポンジに接着剤を立てました。魚の目の部分が丸くあいているので、ちょうどそこに差し込むことができたんです。それにしてもまた目ですよ。なんでしょうね・・。

ようやく左手があきました。でも左手の指にもちょっと接着剤がついていて、下手に動くとこっちまでくっついちゃいそうだったので乾燥するまでじっと待ちました。ほんの数十秒ですが何十分にも感じます。待ってる間、目をつぶって「忍耐、忍耐」ってとなえてました。ようやく左手の指の接着剤が乾燥したところで、左手ではさみを持ち、右手の指の連結部分にゆっくりと刃をあてました。利き手じゃない方ではさみなんて恐いけれど、カッターよりは安心です。まわりから徐々に接着剤をはがすような感じ刃をあてていったら、うまく指が離れました。時間はかかりましたが、皮もむけずにすみました。皮がひっぱられて、ちょっと指は痛かったですが。

指が離れたあとは心身ともにぐったり。この何十分間、いったい何をしていたんだろう?!って感じです。指がくっついてアタフタしてたときは、コドモがおとなしく遊んでたのが幸いでした。ママ忙しそうって察したんでしょう。コドモはよくわかってます。ママ、すっごい忙しかったんですから。

やれやれ、こんなことが毎日のようにあります。育児だ、コドモだというより、根本的にゆとりがないときの自分の行動に原因があるように思います。あとから冷静に考えると、コドモには危ないことを伝えて、こそこそやらないで普通にすればよかったなと思います。でもこの「あとから」がポイントなんです。私の育児は「あとから」気付くことばかりでして、失敗と反省の繰り返しです。なんともお恥ずかしい話です〜。