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Wednesday, August 01, 2001

Topic of the Month 2001年8月

8月のトピック
漬け込んでみる?パート1(かも)



はじめに・・・
庭やベランダでハーブを育てているみなさん、今年のハーブの成長はいかがですか?ワイルドに育ち過ぎて、使い道に困ってる?もし余分なハーブがあるなら、漬け込んでエキスを抽出してみてはいかがでしょ?漬け込む、と言っても水、オイル、アルコール、酢、グリセリン、ワイン&日本酒などなどその溶剤はさまざま。そして漬け込むハーブによって成分も違えば、溶剤によって溶け出す成分も様々です。もっと細かいことを言うと、同じ土地で取れたものでも、ハーブの収穫された年の天候その他の条件によってもエキスの出方が違うんだそうですー。漬け込んだエキスをどのように使うかもまた、薬用から手作り石けんの色出しまで、様々です。
それにしても、ハーブの本を読んでいるとあまりの情報の多さにぐったり。
今回は溶剤についてだけザックリと書きますー。まずは好きな溶剤に好きなハーブを漬け込んでみて色や香り、場合によっては味を楽しんでみましょう。漬け込みは楽しいし、漬け込んだエキスは用途が広いので、是非是非お試しくだされ。そして興味がわいたら、どんどん自分で調べて、こまかーいことまでチェックしてみてください。
*タンニンとかアルカロイドとか、そういう事については今度ザックリ書けるかも・・・た、たぶん。


始める前に絶対読んでおいてください。
(注)全ては自己責任で。肌に使えないもの、飲めないもの、乳幼児に使えるもの、アトピーに使えるものなどなど、アレルギーのあるもの、などなど個人に与えるハーブ&溶剤の安全性については各自チェックしてくださいませ。そして特に民間療法など「薬用」として抽出エキスを使う場合は、このページだけに頼らず、本をたくさん読んでしっかり情報入手&理解してから始めてください。かかりつけのドクターがいるなら、相談するのもいいでしょう。もちろんその他の使用目的でも、同じように積極的に情報入手してみましょう。片寄った情報に毒されないためにも、あれこれ読んで知識のバランスを整えるのが、情報を上手に利用するコツだと思います。
(注)漬け込みに使う道具や容器は消毒してから使うとよいでしょう。
(注)漬け込みをしたら記録を付けましょう。日時、ハーブ、溶剤、配合割合、などなど記録しておくといいでしょう。私は記録魔ならず、刹那的に生きる(!?)記録苦手魔なので、あとから漬け込み日を忘れて困ることがよーくあります・・・。

<始める前の疑問だったこと>
・ハーブはハーブはドライかフレッシュか?
どちらでも使えるらしい。フレッシュは水分が多く含まれているのでたくさん必要だけど、でも水溶性の成分を効果的に取り出したいなら、フレッシュハーブの方がいいのかも・・・。私はドライハーブを購入する以外にハーブの入手法がないので、いつもドライです。
・ホールかパウダーか?
下の参考文献ではドライハーブをパウダーにしてから漬け込む、と書いてありました。その方がたくさん抽出できるのでしょう。私は面倒だから、ハーブをそのまま漬け込んでしまいます~。
・溶剤との割合は?
下に参考にした本のドライハーブ:溶剤の割合を示してあります。(フレッシュハーブを使うときは、ドライの2、3倍くらい用意する必要があるようです。)ハーブの本を読みすすめていくと、下の割合は本当の本当にたんなる「目安」にすぎず、実際はハーブの種類によってエキスの出方が違うので、標準割合にかなりバラ付きがありました。とりあえず下の割合で始めてみて、自分で配合かえてみるといいと思います。
・各溶剤は何を抽出できるのか?
溶剤によって抽出できる成分が違います。そして各々の成分の役割も調べていくとおもしろいです。しかしこれらを書き始めたらすごい量になるし、私がしっかり理解してないのでまだ書けませんー。各ハーブの有効成分などが載っているヘビーなハーブ辞典を持っておくと便利です。

<漬け込んでみる?>
1.水に漬け込む 入手が簡単で手頃。でも水は漬け込むって言わないね。ハーブティとして飲んで効能を楽しんだり、スチームにして蒸気の香りを楽しんだり、またお風呂に入れたり化粧水などにも使えます。ただし、水には防腐効果がないので、化粧水に使う場合は一度に使いきれるだけ作るか、または防腐効果のあるものと混ぜて使いましょう。グリーンさんの本によるとドライハーブと溶剤の割合は1:20。
エキスの出し方:
a) ハーブティ ハーブの花や葉の部分のエキスを出すときの方法です。ドライハーブに沸かした湯をそそぎ10分くらい蒸らします。
たおのお気に入り:やはりハーブティと言うと、カモミールやペパーミントでしょうかー。このふたつは飲むだけでなく、お風呂に入れるのも好きです♪熱出したときにはfeverfewを使っています(効いてるのかは知らないけど)。ローズヒップやクランベリーなども好きです。
b) ディコクション 植物の根や幹、実など固い部分からエキスを出すときの方法です。ドライハーブを水の入ったエナメル鍋に加えます。沸騰したら弱火にして10分くらい煮出します。
たおのお気に入り:ジンジャーはよく使います。あとはたんぽぽの根をローストしたのも好きです。
c) コールドインフュージョン 熱に敏感な成分を抽出する方法です。ドライハーブを水に加え一晩室温で置きます。
たおのお気に入り:面倒くさがりな私このアレンジでアイスハーブティを作っています。大きなピッチャーに水を入れたら、クランベリーやペパーミントなどなどをほうり込み冷蔵庫で一晩置くと、次の日には冷たいハーブティができています。
2.オイルに漬け込む 食用のハーブオイルの他、石けん作り、クリームやマッサージオイルなどなどスキンケアでもよく使われています。漬け込みに使うオイルはオリーブオイルが一般的ですが、他のオイルで試してみてもいい感じでした。オイルは酸化しやすいものもあります。シェバリエさんの本によるとドライハーブと溶剤の割合は1:3。
エキスの出し方:
消毒したガラス瓶にハーブを入れ上からオイルを流し込み、蓋をします。毎日瓶を振って2週間漬け込みます。
たおのお気に入り:石けんの色出しに使うなら、よもぎが渋くていい緑を出してくれます。緑茶も結構色が出ました。カモミールやラベンダー漬け込みオイルは石けんにすると暖かみのある石けんの色になります。<何色って訳じゃないけど。カレンデュラやコンフリーを漬け込んだオイルはクリームにいいです。
3.アルコールに漬け込む 以下のものは厳密に言うとアルコール&ウォーター・ミックスです。アルコールには防腐効果があるので、薬用のティンクチャーとして、また化粧水や男性用のアフターシェーブにも使用できます。グリーンさんの本によるとドライハーブと溶剤の割合は1:5。
a) ウォッカ アルコール度40%以上のものを使います。ティンクチャーにしたり、化粧水にしたりできます。
b) 日本酒 いろんな種類がありますが、アルコール度が15%くらいなので、ウォッカよりエキスが出るのは遅いし少ないです。でも化粧水にするときは、アルコールが少ない分、日本酒の方がいいと思う人もいるでしょう。薬用酒にもなりそうですね。
c) 赤または白ワイン 滋養強壮のハーブをあれこれ漬け込んでトニックワインとして飲んだりするみたいです。種類によってアルコール度数が7~8%から20%以上のものまであります。
エキスの出し方:
消毒したガラス瓶にハーブを入れウォッカ、日本酒、ワインなどを流し込み、蓋をします。毎日瓶を振って2週間漬け込みます。
たおのお気に入り:ウォッカに免疫を付けるエキナシアを漬け込むのが好きです。風邪のひきはじめに、30ー40滴を舌の裏に垂らしてます。それから化粧水に使えそうなものをあれこれ漬け込んでみるのが好きです。化粧水の場合は効能より色出しに興味あり。だからターゲットの色が出たら、日数に関係なく漬け込みをやめちゃいます、へへへ。ハーブ漬けワインは試したことないけど、私は赤ワインで偏頭痛を起こすということが発覚したので、白ワインにハイビスカスでも漬けて、赤ワインのふりして飲んでみようかな(笑)。
4.酢に漬け込む 酢のにおいが苦手という人もたくさんいますが、ハーブを漬け込むとお酢のにおいがあまり気にならなくなるような気がします。食用のハーブビネガーはよく売られていますが、お酢は化粧水や入浴剤、ヘアリンスなどにも使うことができます。でも死ぬほど酢が苦手な人はきっと何しても駄目だと思います(笑)グリーンさんの本によるとドライハーブと溶剤の割合は1:5。
エキスの出し方:
消毒したガラス瓶にハーブを入れ酢を流し込み、蓋をします。毎日瓶を振って2週間漬け込みます。
たおのお気に入り:漬け込みに使う酢は基本的にりんご酢が一般的なようですが、私はりんご酢もホワイトビネガーも使います。漬け込むのはなぜか香りのよい花が多いです。カモミール、ラベンダー、バラなどなど・・・。
5.グリセリンに漬け込む アルコールが飲めない人向け、ということですが、自然化粧品にも使えそうですね。グリセリンだけでハーブを漬け込むこともできるし、アルコールや水、酢など他の溶剤と合わせて漬け込むこともできるようです。グリーンさんの本によるとドライハーブと溶剤総量の割合は1:5。例えばドライハーブ1に対してグリセリン1、酢1、水3とか、グリセリン2&ウォッカ3とか自分でいろいろ合わせてみることができます。
たおのお気に入り:溶剤をいろいろ混ぜてからハーブを漬け込むって楽しそうです。お気に入りの化粧水レシピにすぎなやバラなどを入れてみたいです。
エキスの出し方:
グリセリンを他の溶剤と合わせる場合は別容器でグリセリンミックス合わせておきます。消毒したガラス瓶にハーブを入れグリセリンやグリセリンミックスを流し込み、蓋をします。毎日瓶を振って2週間漬け込みます。

後書き
膨大な情報の中から、書き記したのはほんのちょっとです。しかもかなりザックリ。これを読んで「ふ~ん」と興味を持ったら、是非本屋へ行ってあれこれ調べてみてください。そして何か漬け込んでみたら、是非是非教えてください~。


参考文献
"The Herbal Medicine-Maker's Handbook. A Home Manual."ハ James Green. The Crossing Press. 2000
"The Complete Medicinal Herbal" Penelope Ody. DK Publishing. 1993
"Encyclopedia of Herbal Medicine. Andrew Chevallier. DK Publishing. 2000 (2nd Edition)