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(注)日本で発売されているキャノーラ油のけん化価は0.133くらいで計算するとよい、というご指摘を受けました。
・レシピ作成&けん化価の計算の仕方
(1)まずは次のことを決めましょう。i) どれくらいの量を作るか(バッチサイズ=オイルの総量)
一回のレシピでどれくらいの量を作るか、その量のことをバッチサイズと言います。これは、作るときのオイルの量を基準に考えるので、例えば500gのオイルを使うなら「500gバッチ」と言います。
*パッチではなく「バッチ(batch)」です。
ii) どのオイルを使うか
何を使うか決められない場合は、各オイルの特性(リンクページ現在工事中)を参考にしてください。
iii) 各オイルをどれくらい使うか
同じオイルでも配合比を変えるだけで、石けんのできあがりがかなり違います。ここでは以下の様なレシピを作成してみましょう。
(2)けん化価表をもとに各オイルの苛性ソーダの量を計算します。(液体石けんの場合は苛性カリ)
レシピに必要な苛性ソーダの量は各オイルのけん化価X重さの合計です。上のレシピの苛性ソーダの量を計算してみましょう。
オリーブオイル | 0.134 X 200 = 26.8 |
ココナツオイル | 0.19 X 150 = 28.5 |
パームオイル | 0.141 X 120 = 16.92 |
ココアバター | 0.137 X 30 = 4.11 |
(3)スーパーファットするため苛性ソーダの鹸化率を下げる(苛性カリはスーパーファットしない)。
スーパーファットとは苛性ソーダの量を減らし、けん化率を100%未満にすることで、石けんの中に過剰な油脂分を作ることです。この目的は、石けんの中に未反応の苛性ソーダが残らないようにすることと保湿効果を高めことです。レシピを作成するときには85%~95%のけん化率で計算してみてください。上のレシピを使い、90%のけん化率になるよう計算してみましょう。
(4)オイルと苛性ソーダの量が決まったら水の分量を決めます。
水はバッチサイズに対して30~40%が理想です。これはミルクやハーブティなど水以外の液体でも同じです。ここでは間を取って35%で計算してみましょう。500gの35%で175gの水を使います。
(5)オプション材料を決めます。香りや色、スキンケア効果を考えて好きなものを入れてください。もちろんオプション材料はなくてもかまいません。 今回のレシピにはココアとオレンジのエッセンシャルオイルを加えてみます。ココアは色付けに小さじ1くらい入れてみます。オレンジのエッセンシャルオイルは香りが残りにくいので小さじ4入れてみます。
(6)レシピを書きだし名前を付けます。これでオリジナルレシピの完成です。
「肌に髪に優しい石けん」(祥伝社)でもオリジナルレシピの組み立て方を紹介しています。