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Monday, January 01, 2001

Introduction 手作り石けんについて

はじめに
ここで紹介するのは自然の材料を中心とした手作り石けんです。「手作り石けん」というと一昔前は廃油を使った掃除用などの石けんが主流でしたが、近年は植物油を使った肌や髪にやさしい手作り石けんが広まってきています。
私が石けん作りをはじめたころは情報が少なく、数冊の本をのぞいては、石けん作りのメーリングリストのみが唯一の情報源でした。自分たちが学んだ情報を惜しみなく提供してくれるアメリカのソーパーたちに感動し、私もいつかそんな場所を日本語で提供できたらと思ったのが、このサイトを作ったきっかけです。基礎知識からレシピの作り方、今月のトピック、掲示板などなど、初心者にはわかりやすく、経験者にはよい刺激となるようなホームページをめざして、日々このサイトを運営しています。
どうぞじっくりとこのホームページをお楽しみください。

手作り石けんの良いところ

(1)原材料から自分で選択
手作り石けんのよいところは、材料を自分で選べるということ。例えば、乾燥肌だからミルクを入れようとか、ローズマリーが好きだから入れようとか、自分の肌や好みに合わせて材料を選ぶことができます。それに苦手な材料を「入れない」という選択ができるのもよいところです。市販の石けんをいくつか使ってみてもガサガサ肌が改善しなかった私は、痒みの原因となる「何か」がずっとわかりませんでした。しかし自分で石けんを作るようになってから、「何か」という不透明な材料はなくなり、自分に合う材料・合わない材料がわかるようになりました。自分で材料を選べることは、自分の肌を知るよい機会でもあります。
(2)天然グリセリン
石けんを作ると副産物としてグリセリンが生じます。グリセリンは無色透明・無臭でやや粘着性があり、化粧品などの保湿剤や潤滑油として幅広く使用されています。石けん会社は製造過程で「塩析」をし、不純物と共にグリセリンを取り除いてしまいます。グリセリンは用途が広く、潤滑剤などとして別に販売されるほか、後から再び石けんに加えて「グリセリン石鹸」として販売することもあります。手作り石けんの場合、(塩析をしなければ)副産物として生じた天然グリセリンがそのまま石けんに残っています。そのため保湿効果の優れ、洗い上がりしっとりとした石けんになります。
(3)肌だけでなく環境にも優しい手作り石けん
石けんは洗剤と違い、水に流れると約24時間で水と炭酸ガスに分解されてしまいます。このため川や海などの水を汚すことが無く、最近では環境問題への関心も高まり石けんの良さが見直されてきています。もちろん石けんだって使いすぎれば環境に負担がかかってしまいますから、石けん=環境によい、と単純に決められるものではありません。しかし石けん作りを通して、私たちの生活が自然にできるだけ負担をかけないように意識していけたらと思っています。

石鹸作り~コールド・プロセス~

固形石けんは酸とアルカリが反応してできる塩(ナトリウム)の一種です。油脂(酸)と苛性ソーダ(アルカリ)を混ぜると「けん化」と呼ばれる化学反応がおき、その結果「脂肪酸ナトリウム=固形石けん」と「グリセリン」が生まれます。けん化を進めるために必要なものは熱。火を焚いて外から熱を加える「ホットプロセス(HP)」もありますが、このホームページで紹介しているのは主にコールドプロセスという方法です。これは、油脂とアルカリを混ぜたときに、化学反応で自然と生じる熱を利用したもの。外から熱を加えないので「コールドプロセス(CP)」と呼ばれています。