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Tuesday, August 01, 2000

Topic of the Month 2000年8月

8月のトピック
リキッドソープ・パート2~ソフトオイルも使ってみたよ~

先月に引き続きリキッドです。今回リキッド制作2回目でしたが、作り方をすっかり忘れてしまい7月のトピを読んで復習しましたっ。読みながら「へぇーそうなんだー」と感心したり。私の記憶装置は一体どこにあるんでしょ?やっぱりメモリが足りない!?


*リキッドレシピを作ってみよう

リキッドの素

<苛性カリの量を計算する>
今回はソフトオイルを加えたレシピを作成してみます。リキッドレシピ作成の際には苛性ソーダではなく苛性カリの量を計算して出します。苛性カリの量は以下の方法で計算することができます。とりあえずリキッドは鹸化率100%です。(過剰油脂があるとでき上がりのリキッドが過剰油脂を含むものとそうでないものに分離してしまうのです。)
苛性カリの鹸化価がわからない場合は、各オイルの苛性ソーダの鹸化価に1.4を掛け、苛性カリの鹸化価を出します。例えばココナツオイルの苛性ソーダの鹸化価は0.19。苛性カリの鹸化価は0.19X1.4=「0.266」です。

<苛性カリに使う水の量を決める>
今回はおとなしく(笑)Catherine Failorのリキッド本"Making Natural Liquid Soap" by Storey出版に従います。彼女の本によると水の量はどうやら苛性カリの量の3倍らしい(実際そうやって彼女が計算したのかはわかりません)。例えば苛性カリの量が130gなら水の量は130X3=「390g」ってことでいいのかな。
<スターターを入れる>
リキッドの素(液体石鹸のペースト)があらかじめある場合、これを加えるとトレースが早く出るらしい。500gバッチに20ー30gくらい入れてみようかね。

希釈

<リキッドの素を溶かす水の量を決める>
これはリキッドの素と水は1:1にした。そうすると石鹸分が約30%くらいのリキッドが出来るらしいよ。一回のバッチでできるリキッドの素はいくつかに分けて希釈ができるので、香りなどのオプションを変えることができるのがうれしいよね。
<保湿剤を加える>
今回はグリセリンを大さじ1とターキーレッドオイルという水溶性のオイルをスーパーファットとして大さじ1加えてみます。
<オプションを加える>
香りなどの分量は好みでどうぞ。Let your nose be a guide.「自分の鼻を頼りに」とでも言うのかな?




たおのいい加減リキッドパート2「ホホバリキッドソープ」
<リキッドの素>
ココナツオイル 350g
ホホバオイル 100g
キャスターオイル 50g苛性カリ 112g(正確な数字は111.76g。それを四捨五入しました。)
水 336g 
スターター 25g
<希釈>
リキッドの素 250g
グリセリン 大さじ1
ターキーレッドオイル 大さじ1




*リキッドな警告(しつこいほどに言うけど忘れたらならぬよ)

苛性カリも苛性ソーダ同様、劇薬です!取扱&保管には十分すぎるほど注意してください。
(1)自分の身を守る服装&小道具を身に付けて制作すること。エプロン、長袖&長ズボン、手袋、眼鏡やゴーグルなど目を保護するものもあった方がよいでしょう。

(2)万が一苛性カリ水をこぼしたり飛び散った場合に備え、新聞紙やビニールシートで床やキッチンカウンターを覆ってから制作すること。中和用のお酢を霧吹きに入れておいておくと良いでしょう。万が一皮膚に付いた場合は大量の水で洗い流すこと。絶対に目に入れたり飲み込んだりしないこと!!
(3)刺激のある蒸気が出るのをできる限り防ぐため、苛性カリは水の中にゆっくり加えること。また換気を良くしておいてください。

(4)ペットや子供など他の家族や同居人に迷惑がかからないように保管すること。
(5)液体石鹸はHP法です。約3時間ほどコンロの火を使います。くれぐれも火事にならないように気を付けてください!4~5時間の時間的&精神的余裕が無い場合は危ないですから作らないでください。
(6)石鹸作り自体が始めての人はまずCP法で固形石鹸を作る練習をしてみてください。以下の作り方は石鹸作りになじみがあることを前提に書いています。ですから基本的な情報などを抜かして書いている為、このページを参考にいきなり始めての石鹸作りをするのはおすすめしません。


*リキッドな実況中継
<リキッドの素>
(1)水と苛性カリの重さをはかる。そして苛性カリをゆっくりと水の中に加え混ぜて溶かす。水をはったボールなどで60度くらいまで冷ます。各オイルの重さをはかる。弱火にかけ70度くらいまで暖める。
*苛性カリはサウンド的にコワイ。ゆっくり水に加えて静かにかき混ぜ始めると「ごぅーごぅー」という音を立てて溶けていくんです。蒸気などの問題は無かったけど、この「ごぅーごぅー」っていうのはコワイかった。


(2)苛性カリ水をオイルに混ぜ撹拌を開始。

*撹拌開始してしばらくすると左の写真みたくなります。なんだかぶくぶくと泡がたつので「あれ?もう石鹸?」と早とちりしがちなんだけど、まだまだトレースまでの道のりは長いのです。

(3)35分後にトレースが出た。
*ソフトオイルの為かトレースまで35分かかった。もしスターターを入れなかったらもっと時間がかかったのだろうか!?35分全く休まず気が触れたみたく一心不乱にかき混ぜ続けた。おかげで汗びっしょり。「あー早くリキッド仕上げて、それでシャワー浴びよっ」と思った。リキッドのトレースは「徐々に」というよりは「いきなりもったり」なので余念を許さない過酷な撹拌を強いられるのであった。

(4)トレースが出たら湯煎開始。前回も書きましたが私の「湯煎」は実は湯煎じゃないのです。こんな感じなんです。どっちかっていうと蒸し器に構造が似ているかも。蒸気で鍋底を暖めているような感じです。



(5)湯煎を始めて約2時間くらいしたら石鹸生地がジェル化してきます。この時には生地はもうすっかり固めのペースト状。更に1時間湯煎を続け、合計3時間で全体的に透明感のあるペースト「リキッドの素」ができあがり。
*湯煎を開始したら2層に分離していることに気付いた。底の部分は液体、上の部分はもったりした石鹸生地。あれれ?前回もそうだったかな?と不思議に思いつつ全然かまわず湯煎を続行。30分ごとにたまにかき混ぜていたら2時間後には分離は無くなり、リキッドな素ができた。今回はホホバが入っているから黄色っぽい生地です。写真は丁度2時間たったくらいの時。なんとなくジェルになっていた。


<希釈>
(1)リキッドの素と水を鍋に入れ火にかける。リキッドの素をつぶすようにしながら水に溶かしていく。
*リキッドの素を溶かすのは辛抱が必要です。あんまりいじると泡だらけになっちゃうよ。ある程度ペーストが小さくなったらほっといても自然に溶けるので干渉しすぎないこと。そうじゃなかったら始めから小さくちぎって入れるといいかも。それから沸騰しないように気を付けること。沸騰するとどんどん泡立ちます。

(2)リキッドの素を溶かしている間にほう酸水を作る。耐熱容器にほう酸を入れ、熱湯を加える。かき混ぜて溶かす。

(3)リキッドの素が溶けたら火を止め、グリセリンも加える。冷ます。


(4)眺める。ため息をつく。使う。喜ぶ。叫ぶ。何でも洗ってみる。自慢する。おすそわけする。