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Sunday, October 12, 2014

泡立て器の使い方

料理を科学で検証する番組 America's Test Kitchen で泡立て器の使い方についての映像クリップがありました。人によって泡立て器の使い方は様々・・・でもより効果的な混ぜ方はどれでしょう?番組では、side-to-side(左右に動かして混ぜる)、circular stirring(ぐるぐると円を描きながら撹拌する)、beating (卵白を泡立てる要領で混ぜる)の3パターンを、ビネグレットの乳化、生クリームの泡立て、卵白の泡立ての3つから検証しました。ビネグレットはどれだけ乳化した状態が続いたか、生クリームと卵白はしっかりとツノが立つまでにどれくらいの時間がかかったかを3種類の泡立て器の使い方で調べてみたのです。

石けん作りに似ているビネグレット(オイルとビネガー)の乳化を見てみると、以下のようになりました。

side-to-side オイルとビネガーを混ぜたら完全に乳化した状態が15分持続しました。
circular stirring オイルとビネガーは完全に乳化せず分離していました。
beating circular stirring同様、オイルとビネガーは完全に乳化しませんでした。

(ちなみに生クリームでもside-to-sideがいちばん早くツノが立ち、卵白ではbeatingがいちばん早くツノが立ちました。)

テストの結果、side-to-side がいちばんビネグレットの乳化に効果的だとわかりました。その理由はshear forceと呼ばれるちからによるそうです。泡立て器を一方向に動かすと液体も同じ方向に動いて行きますが、すぐに泡立て器が反対方向へ動くので、向かってくる流れにぶつかります。これによって油が細かくなり、お酢の中に油滴が浮いている状態になる、つまり乳化した状態になるのだそうです。他の混ぜ方は同じ方向に流れているため、このsheer forceが少なく、比較的乳化しにくいのだそうです。

石けんを作るときはどのように泡立て器を使っていますか?もし泡立て器を使って早く乳化させたいと思ったら、side-to-sideで混ぜてみてください。レシピにより違いがわかりにくいことがあると思いますが、先日の大阪の基礎シリーズの講座で途中からside-to-sideの混ぜ方に変更したら、確かにスピードが早まった気がします。ただし、この混ぜ方は疲れます(笑)