Search This Blog(ブログ内検索)

Monday, February 06, 2012

最後の石けんは・・


ついに石けん道具を引っ越し段ボールの中に詰めました。これからしばらく(といっても1、2ヶ月ほど)石けん作りはお休みです。1月以上石けんを作らないことはこれまでも多々あったのですが、道具が手元にないというのは始めてです。なんと不安なことでしょう。ああ、なんか落ち着かない・・。

とは言うものの、実はこっそり携帯用のデジタル秤と温度計を3本を手元に置いてあります。温度計・・使わないのに3本も・・(笑)ま、これはお守りみたいなものです。泡立て器とボウルは料理用があるし、いざとなったらすぐに石けん作れます。だから、作れないのではなく、たぶんもう作らない。作れないと作らないでは大きな違いがありますからね〜。

アメリカで作った最後の石けんはクリスコ100%の石けんです。クリスコと言えばショートニング、ショートニングと言えばクリスコというくらいトランスファットの代名詞でした。スーパーで買える、自然からいちばん遠い植物性油脂ということで、ある意味とてもアメリカらしい素材なので選んだのですが、昔と今では中身が随分違います。かつては綿実や大豆を水素添加したものでしたが、今は大豆とパームがベースです。90年代くらいまでの石けんレシピには、クリスコが使われているものも多かったのですが、今はまず見かけません。油脂にも流行り廃りがあるのだということを示す、いちばんよい例かもしれません。

中身の変わってしまったクリスコは、私の知っているクリスコとはちょっと違っていて、苛性ソーダを入れたら急に生地色がピンクに変化してびっくりしました。クリスコ(真っ白)+苛性ソーダ(真っ白)を足して、なぜピンクに?!もちろん入っているものが反応したのでしょうが、だとするとなぜそれが白かったのだろうか?いや、白に隠されていたのだろうか?などと疑問がどんどん湧いて来ました。

色の変化だけでなく、苛性ソーダ水を入れた瞬間にモロモロと分離物が出てきたんですよ。結局、ブレンダーで滑らかになるまで撹拌したので、モロモロは解消されたのですが、更に驚いたのはブレンダーをかけてもかけても生地がもったりしてこない。一体これは何者?本当にあのクリスコなの?と変わり果てた旧友(?)に目を疑う私でした。

型入れ後も型出し後も、あれ?と思うことが多く、結局多くの謎を残したまま最後のバッチ制作は終わりました。もう二度と作る事はないでしょうが、それにしても気になり過ぎます。お菓子作りに使ったことがないからわからないけれど、以前と同じようにお菓子もできあがるのでしょうか。

できあがった石けんを使うのが楽しみです。でも疑問がもっと増えそう。乾燥中の今もピンク色は健在です。