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Monday, December 28, 2009

読書日記 2009年12月

12月はあまり本を読みませんでしたー。

(1)In Defense of Food -An Eater's Manifesto- by Michael Pollan, Penguin Books 2008

「欲望の植物誌」に続き、再びマイケル・ポーランの著書。私の食に対する疑問にわかりやすい説明してくれ、食べ物の選び方や食べ方に影響を与えた本です。私は、ノンファット、ノーシュガーなどキャッチがついている食品が嫌いなのですが、その理由を明確にもっていたわけではありませんでした。「牛乳なのに脂肪が無いなんて不自然」とか「クッキーなのにノーシュガーって不自然」とか、なんとなく腑に落ちないでいたのです。しかし、ポーランが著書の中で、現代のアメリカの食生活は栄養素信仰から生まれた加工食品が中心となっていること、それが逆にアメリカ人の健康を害していることなどを詳しく具体的に説明し、ものすごく納得してしまいました!ちょうどノンファットミルクについても書かれている箇所があり、牛乳から脂肪分を抜いたら味をよくするために他の添加物をいろいろ加える、というようなことが書かれていました。ポーラン曰く、健康的な主張をしている食品は健康に悪いから買わないように!というのです。確かに、ほうれん草の葉っぱやリンゴの皮に「ノンファット!」とか「ノーシュガ!」とか書かれていませんよね。ポーランは、おばあちゃんやひいおばあちゃんが見ても食べ物とわかるような自然なものを食べましょう、と書いていました。確かに、科学の作り上げた食品というのは食べ物(FOOD)とは違う気がします。

和訳で本が出ています。邦題は「ヘルシーな加工食品はかなりヤバい―本当に安全なのは『自然のままの食品』だ」(マイケル・ポーラン (著), 高井 由紀子 (翻訳) 青志社 2009年)興味のある方はどうぞ〜。


(2)ビジテリアン大祭 宮沢賢治 1934年 (オンラインより)

文庫本で入手できなかったので、オンラインで見つけて読みました。ニュウファウンドランド島の小さな村に世界中からベジタリアンが集まり開催されたビジテリアン大祭。しかしそこには、ベジタリアンを批判する一派も集まり、大祭では「菜食信者」と「異教者」の間で討論が行われる・・という内容です。宮沢賢治は菜食主義を宗教になぞらえたこの短編小説を通し、ベジタリアンに対する偏見を取り除こうと試みた、と言われています。この小説が発表されたのは1934年、昭和9年です。ということは、昭和初期に菜食主義という考え方があり、それに対して世間からの偏見もあったというのが驚きです。食の欧米化が広まったのは昭和40年代頃だし、昭和初期というと野菜中心の理想の食卓というイメージがあったのですが、「ビジタリアン大祭」を読むと、意外に当時は肉食が普及していたのかなと思いました。もちろん現代の食生活に比べたら、はるかに野菜が多く、ヘルシーであったとは思いますが。文中に、牛一頭を育てるのに使う土地があれば十人分の小麦が一年分とれる、という部分がありましたが、こういった議論は古さを感じさせないですね。