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Thursday, July 02, 2009

ホイップソープ(1)


「お久しぶりです。猫たおです。こんなニュースを読みましたが、キジトラなのに警戒心がありません。まあ、それはさておき、今回ホイップソープのガイド役をつとめることになりました。初回はホイップソープの基礎知識です。どうぞご覧下さい。」

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ホイップソープの基礎知識

・ホイップソープとは?
 ホイップソープ(whipped soap)は文字通り材料をホイップしながら作る作り方です。イメージとしては、バターをホイップするような感じです。

 材料は冷やして作ります。泡立てて作るため、生地は真っ白になり、色をつけるとパステル調になるのが特徴です。コールドプロセスではいまいち出せなかった「真っ白」な石けんを目指す方、白をベースに着色したい方には特に試していただきたい作り方です。ただし、材料にレッドパームなど色素の強いものを使う場合は例外です。

 石けん生地がツノが立つくらいホイップされたら、色や香りをつけたり、模様とつけたりと、自由にアレンジできます。生地をいくつかに分けて、違う色や香りをつけることもできます。鹸化スピードが遅いため、ツノが立った状態で30分くらいはそのままの状態を保ちます。生地が安定しているのでのんびりと作業ができます。アート系の石けんやスイーツ系の石けんが好きな方には楽しいと思います。

 熱による鹸化促進が非常に弱いので、コールドプロセス(CP)に比べると、鹸化スピードが遅く、熟成には2ヶ月くらいかかります。「2ヶ月」というのは、個人的な感想なので、人によっては1月半で大丈夫という人もいれば、3ヶ月は乾燥させたいという人もいるでしょう。そこらへんは「2ヶ月」にこだわらず、自分の肌と相談しながら使用時期を決めてください。

 乾燥したホイップソープはCP石けんよりも軽く、硬いのが特徴です。気のせいか、減りもCP石けんに比べて遅い気がします。

・道具について
 ホイップする道具はハンドミキサーを使います。ハンドミキサーを使って材料の飛び散らないの?と思うでしょうが、材料である油脂が固まっている状態で撹拌するため、(正しい使い方でホイップすれば)生地がボウルの外へ飛び散ることはほとんどありません。手混ぜもあり?と思う方もいると思いますが、手まぜではまず無理です。手で混ぜると、無理な力が腕に入るため、逆に飛び散る可能性が出てくると思います。

・油脂について
 材料となる油脂はパームやココナツなどのハードファッツ/オイルがメインになります。ホイップの硬さを出すために、ハードファッツ/オイルは固まった状態で使います。油脂が固まっている冬場はそのまま常温で使うこともできますが、夏場や油脂が溶けているときは冷蔵庫で冷やし固めてから使います。
 
 ソフトオイルもレシピに組み込むことができますが、ホイップが緩くなってしまうので、少量にとどめるのが一般的です。ホイップの泡にもっちり感をプラスしたいときは、ひまし油がおすすめです。

 ココアバターは硬すぎて、そのまま入れても混ざらないので、一度温めて溶かしてから加えます。ですから、ホイップ中には逆に生地がゆるくなってしまいます。

 ハートファッツ/オイルが多いと使い心地がいまいち・・という方には、ショートニングが役立ちます。ソフトオイルのしっとり感を保ちつつ、しっかりと常温でも硬さをたもっているため、高配合や100%も可能です。

・苛性ソーダについて
 苛性ソーダ水も冷やして使います。苛性ソーダ水の粗熱がとれてから、冷蔵庫(または冷凍庫)に入れて冷やします。冷蔵庫には食べ物、飲み物、いろいろ入ってますから、苛性ソーダ水をこぼしたり、家族が間違って口にすることがないよう細心の注意を払ってください。

・オプションについて
 温度が低いため、香料はCPより少なめでOKと言われています。ただ最低2ヶ月は乾燥させることを考えると、やはりCPと同じ分量で作るのが無難かなと思います。香りの強さというのは本当に個人の好みなので、これはご自由にどうぞ。
色をつける場合は、ベースの白が強いため、CPで作るよりは色材料は多めに使うことになると思います。しかし色の好みもまた個人差がありますから、こちらもお好みで。

・型について
 シリコンモールドがおすすめです。またはケーキのしぼりを使って、オーブンペーパーの上に絞り出すこともできます。ホイップソープでデコレーションのパーツ作っておいて、あとからCPやメルト&ポア(MP)石けんに飾り付けたり、CP石けんと合わせて、マーブル模様を作ったりといろいろな応用ができます。