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Friday, November 24, 2006

ワークショップのフォローアップ

10月下旬から11上旬に行ったワークショップのフォローアップです。伝えきれなかったこと、あらためて文字で残しておきたいことなどをまとめています。


10月29日 池袋コミュニティカレッジ 経験者クラス

・ババスーオイルについて
ブラジル原産のナッツから採れる油脂でラウリン酸を多く含み、ココナツオイルと同じように石けん作りに使われます。

ココナツオイルやパーム核オイルとの比較は以下の通りです:

ココナツオイル(鹸化価0.19)
ラウリン酸48.0%、ミリスチン酸17.0%、パルミチン酸9.0%、カプリル酸8.0%、カプリン酸7.0%、オレイン酸6.0%、ステアリン酸2.0%、リノールさん2.0%、その他

ババスーオイル(鹸化価0.175)
ラウリン酸44.1%、オレイン酸16.1%、ミリスチン酸15.4%、パルミチン酸8.5%、カプリン酸6.6%、カプリル酸4.8%、ステアリン酸2.7%、リノール酸1.4%、その他

パーム核オイル(鹸化価0.156)
ラウリン酸46.9%、オレイン酸18.5%、ミリスチン酸14.1%、パルミチン酸8.8%、カプリン酸7.0%、カプリル酸2.7%、ステアリン酸0.3%、リノール酸0.7%、その他

上記の数値は"Soapmaker's Companion" by Susan Miller Cavitch(1995年)より。
数字は絶対的なものではなく、あくまでも目安として考えてください。各油脂の違いを細かく見比べるのではなく、3種とも全体的に非常に似た脂肪酸構成を持っているということに注目してください。

・コーヒーバターについて
講習ではコーヒーバターの鹸化価をお伝えできませんでしたが、コーヒーオイルの鹸化価は0.13です。不安定なオイルなため、入手は水素添加されているコーヒーバターが一般的です。
*但し、コーヒーの香りは石けんには残りにくいと思うので、香りを楽しみたい方はリップやクリームがおすすめです。

・チックウィードについて
和名はハコベ。サポニンを含み、外用としては傷や湿疹などの痒みに使われます。講習ではオイルでインフューズしたものを使いましたが、お土産のドライハーブはティバッグ状のまま入浴剤や湿布として使ってみてください。


11月1日&3日 Mayu


・クリームド・ココナツ(creamed coconut)について
成熟したココナツの実の果肉から取れる製品で、添加物を含まない100%ココナツ。脂肪分は65%以上。水で薄めてココナツクリームやココナツミルクの代用としてカレーやお菓子などに使われます。脂肪分が非常に高いことから、講習では不鹸化物の多い脂肪と考えて、スーパーファットに使用しました。
ちなみにココナツクリーム(coconut cream)はココナツの果肉を圧搾し加工したもので脂肪分は約20%。ココナツミルク(coconut milk)もココナツの果肉を圧搾し加工したものですが、脂肪分は約10〜15%。但し、脂肪分は商品により幅があります。

お土産石けんの香りは以下の通りです:

1日午前のクラス カシスFOとアップルFOのブレンド
1日午後のクラス アップルジャック&ピールFO
3日午前のクラス パパイヤネクターFO


11月6日&7日 いまじん

・バオバブオイルについて
アフリカ原産のバオバブの木の実から採れる油脂。ビタミンA,D,Eなどを含み、スキンケアやヘアケアの保湿剤として使われます。非常に伸びがよく肌への馴染みがよいため、今回は目や口のまわりなどデリケートで乾燥しやすい部分をケアする保湿剤のレシピにしてみました。バオバブオイルは安定したオイルで2年くらいは持つと言われています。鹸化価は0.143。


11月8日 いまじん


・Crothix Pastillesについて
INCI名はPEG150 Pentaerythrityl。お土産に渡した液体石けんのとろみ剤です。液体石けんに対して1〜8%を使用します。使い方は、crothixをレンジや湯煎で溶かし、希釈した液体石けんにそのまま流し入れます。1日ほど置くと、全体的にとろみがつきます。